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ドナルド・トランプ当選の本当の意味−グローバル化が生み出すものとは−

グローバル社会 世界情勢 アメリカ

こんにちは。

11月9日。アメリカで長らく続いた大統領選挙はついに最終盤を迎え、ついにドナルド・トランプ大統領が誕生しました。今回はさっそくそのアメリカ大統領選挙についての感想をぜひ皆さんとシェアしていきたいと思います。

僕もこの選挙期間はふたりの活動や思考を追ってきましたが、正直いまだにトランプが当選したことに実感が湧いていません。しかし、ある意味偉大な日になったこの日に留学生としてアメリカにいることが出来ているのは何かの縁なのかもしれないと思っています。

僕自身、個人的には当初、ヒラリークリントンのほうが有利だと思っていたのですが、日を追うごとに何となくトランプもあり得るかもしれないという気もしていました。それもそのはず、メディアがまるでヒラリー・クリントンが優勢かのようなストーリーを描いていたけれど中身を見てみればトランプの圧勝でした。

ドナルド・トランプがアメリカの次期大統領になることで世界が大きく変わるのは間違いないでしょう。日本にも間違いなく影響が出てきます。しかしそんなアメリカ大統領選挙も時代の流れのひとつにすぎません。

最初に言っておきます。
大切なのは、あなた自身が『時代の変化にしっかりと適応出来る人間』になることです。


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もくじ

これからの日本人に求められるもの

フェイスブックやツイッターを見ていると、この予想外の選挙結果に『アメリカは終わった。』『留学生はもうアメリカにいれなくなる。』さらには『世界の終わり』なんて事が書いてあるのを見ました。気持ちはすごい分かります。でも本当にそうでしょうか。

いつだって新しい事が起きるときは不安がつきものです。そんな状況の中、ほとんどの人は良くない事が起きるというマインドに支配されてしまいます。そのマインドを作りあげているのはまさに未知に対する警戒。何が起こるか分からないものに過度に臆病になっていまうのが人間なのです。

特に日本人は世界の中でも和の心親切心を大切にして育った人種です。そのために『他人に嫌われること・他人を敵に回すこと』をあまり経験していないので意外と耐性がない人が多いのです。なので他の人種に比べて心が弱りやすく、精神的に折れてしまうことも多々あります。もちろんそれは悪いことでは全くありません。むしろそういう文化で育っていないので当然だと思います。

世界の中でも日本人の『心の質』は本当に高いと思います。そして何より優しい心は大切です。他人を思い合ってあげれらることは人生の大きな鍵でもあります。

しかし、グローバル社会の中で特定アジア諸国、中国・韓国・北朝鮮などといった国々に関わっていると、彼らの激しい増悪に時には避けられないこともあるのです。これまでの日本人は場をおさえるためにどうしてきたか。『謝ってきた』のです。自分が折れて、場を丸めようとした結果でありました。詳細はここでは書きませんが『慰安婦問題』がまるっきりいい例でしょう。

要するに『和の心や親切心を大切にして生きる』というのは日本人同士であれば問題はありませんが、特定のアジア諸国や海外を相手にすると全く通用しません。そういった日本人の美しい心というのはそういった特定の国々には全く共感されることもなく理解されることもないのです。

つまり、日本人は時代に合わせてメンタリティーを改善しなければいけない。これからの日本人に求められるものは『嫌われることを恐れずに強く生きていく』こと。シンプルに聞こえるが本当に大切なことであり、それは政治に関してだけのことではない。

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不安と暴力に満ち溢れた世界

今この世界を大きく見てみるとかなり不安定です。ヨーロッパへ行けば相次ぐ無差別テロの脅威に見舞われ、アフリカを含む中東ではイスラム過激派組織(ISIS・ボコ・ハラム)を筆頭に紛争と混乱で荒れ果てています。南アメリカではこないだの原油価格の暴落によりブラジルやベネズエラなどの原油産国が一気に不景気に見舞われています。

アジアでは中国の失速に韓国の朴槿恵大統領に辞任を求める国民数十万人がデモ起こすような前代未聞の事態になっています。そして、現代社会はグローバル化と同時にネットワーク化・情報化が加速していき、ますます人々を混乱させていっています。

かつて世界はそれほどに密接に近すぎていなかったので違った宗教や信仰を持っていたとしても何の問題もありませんでした。しかし、世界は大きく変わり、グローバル化によって自分と違った人間がいることを知り、激しい対立を生み出しました。誰しもが『誰かに干渉され、誰かに嫌われる』そんな社会。つまり、自分が何をしていなくても、存在しているだけで誰かに批判されるような社会になってしまいました。

例としてあげると、ヨーロッパではイスラム過激派によって繰り返し行われているテロによりほとんどのイスラム教徒は人々の増悪の対象になってしまっています。確かに全員がテロリストのように見られるのは間違っています。しかし、ある一部が暴動を起こすことで全イスラム教徒が世界から危ないという目線で見られてしまうのは事実です。

こうしたものは宗教間だけでなく、昔から人間は人種間でも激しい人種差別をしてきたわけで、黒人は肌が黒いっていうだけで人々から罵られていました。

それ以外にも人間は今まであらゆる人を差別してきました。国が違うと言って差別し、宗教が違うと言って差別し、人種が違うと言って差別し、貧しいと言って差別し、同性愛と言って差別する。あらゆる『違い』に嫌悪感を感じ、そしてまた新しい『差別』を生み出すのが人間であるのです。

人間は多様性を兼ね備えていて、『考え方』や『生き方』が違っています。だからこそ素晴らしいのですが、ある人々にとってはそれは激しい嫌悪感と拒絶感を生み出すものになってしまっているのが現実です。

残念ながら今現在のこの世界は平和ではない。不安と暴力で満ち溢れている。そしてグローバル化ネットワーク化といったものは人々を平和にするよりも、むしろ増悪をさらに拡散させていることにもう明らかだ。

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富める者はますます富、貧しい者はますます貧しくなる

さて、アメリカ大統領選挙の話に戻りましょう。

元々、ドナルド・トランプは捨て駒みたいなものでした。世界中の人が、『あんなイカれたやつが大統領になれるわけがない。』とトランプを批判していました。それもそのはず、トランプは行き過ぎた暴言にセクハラ、さらには税金逃れのスキャンダルに、人々は根本的な人格に問題があるのではないかと指摘してきました。

そんなドナルド・トランプが訴え続けていたものは何か。それは『アメリカは実際には貧しい。だからこれからはグローバル化よりもアメリカ第一で考える。』というものでした。つまり、グローバル化から逆行する動きです。

グローバル主義を求む達が多い中、多くのグローバルメディアがトランプを叩き、ヒラリークリントンに投票するように仕向けた。しかし、ヒラリーが票を獲得したのはカリフォルニア州やニューヨークなどといった大都市でグローバル化の恩恵を受けている人達が住んでいる州に限ったところだけだった。

しかしアメリカの中部を見て欲しい。ほとんど中部アメリカの州をトランプが制している。どういう意味か。簡単だ。つまり、この中部にはグローバル化に全く無縁の人達が住んでいるいうことだ。ドナルド・トランプを支持したのはそんなグローバル化していくアメリカに見捨てられた白人層だった。

元々アメリカは多文化主義で成功した国家だと思われていたが、そんなのは表向きでしかなかった。グローバル化により移民が増え続け、現地のアメリカ人の賃金をどんどん下げていった。

彼らが働く工場も人件費の安い国外に拠点を置くようになり、彼らは完全に時代遅れの見捨てられた存在になってしまったんだ。そんな彼らの望むものはもちろん『反グローバル主義』つまり、『移民と競合しないこと』だ。

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グローバル化によって生み出されたその経済格差がますます深刻化し、『お金持ちはさらに金持ちに。貧乏はさらに貧乏に。』という状況に今のアメリカの政治家は誰も止めようとはしなかった。ドナルドトランプはこの弱肉強食かつ資本主義のアメリカで蹴落とされた層に狙いを定め、『今のアメリカはおかしい。アメリカは本当は貧しいんだ。今必要なのはアメリカを第一に考えられる政治家だ。』と訴え続け、それが彼らに受けたわけだ。

そんなグローバル化の社会から蹴落とされた普通のアメリカ人の声を支持したドナルド・トランプ。つまりトランプが支持したのは巨額の資金や多大な影響力のある富裕層ではない。普通のアメリカ人の小さな声ひとつひとつが巨大な力を生み出し、国全体をも変えてしまった。

しかし、この動きはアメリカだけではない。ヨーロッパでも起きている。イギリスは2016年の6月23日の国民投票により、EU脱退が決まった。大量の移民が押し寄せてくることに国民はうんざりし、『反グローバル主義』を選んだ。フランスでも似たようなことが起きている。『反イスラム・反移民・反EU』を堂々と掲げる国民戦線(FN) のマリーヌ・ルペンの影響力がどんどん拡大してる。ドイツでも移民・難民促進派のメルケル首相も危うい立場になってきている。

今や誰もがグローバル化を期待しなくなってきている。むしろグローバル化によって社会の底辺に落とされた人の『もう我慢出来ない。』というような声になって起きている出来事だということを知らなければいけない。

人々が少しづつ、『グローバル化が貧困を生み出す』ことに気づき始めたのかもしれない。多くの人々がグローバル化が生み出したこの弱肉強食の世界や移民・難民問題にもう嫌気が指している。はっきり言って多文化主義や共生主義などといったものはただの空想でしかないからだ。

少なくともこのアメリカ大統領選挙の結果はグローバル化によって多大な恩恵を受けた富裕層と、それによって困窮化した貧困層との分裂の現れであったといってもいい。

こういった現実に目を背けているとますます状況は悪化していくと僕は思う。

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