ドイツにはさらなる混乱と暗い未来が待っている

 

皆さんはドイツと言われたらどんなことを想像しますか?

 

ソーセージが美味しそうとかビールが美味しそうとか他にも色々な魅力のありますよね。かつドイツは歴史のある国です。 そんなドイツには年間およそ70万人以上の日本人が旅行などでも訪れています。僕もいつか行きたい将来の旅行先リストに入れてるほどです。

 

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さて、今回は去年に大きな話題になったドイツの難民( Refugee )受け入れ問題について少し書きたいと思います。今ではあまりニュースにならなくなりましたが、ドイツの今の状況はかなり混乱していて、決して状況がいいとは言えません。

 

そしてほとんどの日本人にとっては難民を受け入れるというニュースはどうも無関係に聞こえてきますが、本当にそうでしょうか。

 

 

  •  難民との共生

 

 2013年から今にかけて難民は急増しています。世界ではおよそ5000万人以上の人が難民生活を余儀なくされています。そして何と言っても前年比に比べると約600万人増えたとも言われています。難民が増え続けている今のひとつの大きな原因としてあげられるのはやはりアフリカ・中東エリアの紛争、そしてシリアの内戦でしょう。

 

そもそも難民とはどういう人達を指すのでしょうか。

 

Wikipediaの引用の項目により:

難民(なんみん、英: refugee)は、対外戦争、民族紛争、人種差別、宗教的迫害、思想的弾圧、政治的迫害、経済的困窮、自然災害、飢餓、伝染病などの理由によって居住区域(自国)を逃れた、あるいは強制的に追われた人々を指す 

 

 

そして昨年、ドイツはメルケル首相の人道的配慮よって多くの難民を受け入れる体制を取りました。当然ながら今ままでに膨大な数の難民がドイツに押し寄せています。なんとその数は2015年の一年間だけでおよそ110万人以上と言われています。メディアの多くが一時的にこれをまるで過大評価するかのように取り上げたせいか、皆さんも少なからず難民を受け入れることが良い事だと思っているのではないでしょうか。

 

確かに困っている難民を受け入れるというのは多くの国の人からも評価されるべきであり、一時日本でも検討されたこともありました。しかし現実はどうでしょうか。難民を受け入れる影響は思っている以上にもかなり大きいです。

 

現実、今ドイツでは難民申請者が国内で事件を起こすというのがかなり増えてきています。昨年の大晦日の夜にドイツ西部のケルンでアルジェリア人とモロッコ人の難民による集団性犯罪事件ががありました。ドイツのマスコミも難民の受け入れに肯定的なせいか、この事件が起きてから4日間も情報隠蔽をしていました。この現状にドイツ国民が激しい憤りを覚えるのも当然です。

 

難民受け入れ問題が起きる前は高支持率を持っていたメルケル首相ですが今や32.5 %まで下がったと報じられています。

 

  • 裏には多国籍企業バックアップ

 

これほどの量の難民が国内に溢れかえって問題が起きないと考える人はいないですよね。普通の人でも分かります。異国民を受け入れるというのは必ずしも言語や宗教の衝突、そして何と言っても文化の衝突が起こります。それなのになぜドイツはそんなにも難民を受け入れたのでしょうか。理由はひとつではなく歴史が深く関わっていますが、今現状、多国籍企業のプッシュがあったからでしょう。

 

ドイツの多国籍企業はこれは大きなチャンスだと思ったはずです。少子化が進み労働力を確保できないドイツ企業は多くの難民を会社の安い労働力に変えようと無理やりでも難民受け入れを望みました。 彼ら、難民が今一番欲しがっているのは『生きる場所』、つまり『低賃金』でも『働ける場所』だと知っているからです。

 

このグローバル化で多国籍企業は多くの競争に強いられます。そこでより多くの『利益』を得ようと色々得策を練ります。そこで彼らはいかに労働者のコストを下げて利益を上げるかを一番に考えます。利益を上がれば自社の株価を上がり、多くの株式を保有している資産家や経営者が儲かる、まさにそんな仕組みになっているのです。

 

産業界からもメルケル首相の評価も上がり、国内の多国籍企業も利益を上げ、国の景気を一気に上げるチャンス。そう思っていたのでしょう。しかしそんな夢のように物事が上手く進むわけがありません。

 

  • VWグループの排ガス不正問題

 

昨年、VW(フォルクスワーゲン)の不正問題が発覚します。『不正ソフトウェア』。いわゆる自動車の検査の時に排ガスの浄化機能を動かし、実際は有機ガスを排出するといった言語道断の違法なソフトウェアを使用してました。

 

ドイツという国をも支えてもいる自動車産業。特にVW(フォルクスワーゲングループ)は世界でも多くのブランドを持つ大企業ですからドイツという国の規模で大きな役割を果たしています。これはドイツにとっても大きなダメージであり、もちろん難民にとっても痛手となりました。

 

そんなVW(フォルクスワーゲングループ)はがそのような不正問題を起こしたわけです。もちろんその影響は大きく株式も暴落し、言い逃れの出来ない現実にCEO自ら謝罪をし、制裁金およそ200億ドル(約2兆1800億円)まで払わされています。急激な事業の縮小を余儀なくされたVWグループはメルケル首相が受け入れた難民がいらなくなりました。

 

  •  一旦受け入れたら帰らない

 

 これまでにドイツ国民とドイツの難民の多くの衝突があり、メルケル首相も最近になってさすがに危機感を感じています。メルケル首相の自体が『難民の許可滞在は一時的なものであり、内戦が終われば彼らは帰国するべきだ。』とまで言っています。

 

難民もそれはびっくりするでしょう。最初は人道的配慮から難民を受け入れると言う話だったはずなのに、いつの間にか内戦が終わり次第強制退去を命じられるのかもしれないんですから。

 

でもそんな難民も『はい。分かりました。』と素直に帰るでしょうか。自国に帰ったほうが死の危険が高いんです。意地でもドイツやヨーロッパに住み着こうとする人たちも出てくるでしょう。しかし無理やり帰らせようともすればテロが起きる可能性があります。不法滞在の反対運動でも起こせば、差別などと言われます。どうもドイツ自体も上手く動けないのです。

 

メルケル首相と多国籍企業による難民に対して楽観的な見方がこうも取り返しのつかないものになるとは想像していなかったでしょう。一旦受け入れたら帰ることはない。そんな論点で考える人が増えればいつかドイツ国民が追い出されることもあり得ると思います。

 

もちろん難民の受け入れはドイツだけではありません。移民や難民を受け入れるというのはその国の社会を変えるということ。これを十分に理解せずに利益ばかりを望んだドイツはこれから衰退していく可能性が高い。

 

ちなみに日本では民主党が難民受け入れに賛成しています。

 

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